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.Bloom Column

.Bloom BL川柳コラム

其の七十:情事の終りに
  • 其の七十:情事の終りに
  • 其の六十九:仕方ない事
  • 其の六十八:一人者の事
  • 其の六十七:腎虚の事
  • 其の六十六:芳町のお坊さんの事
  • 其の六十五:年増陰間の事其の二
  • 其の六十四:年増陰間の事
  • 其の六十三:口説くという事其の三
  • 其の六十二:口説くという事 其の二
  • 其の六十一:口説くという事
  • 其の六十:見栄っ張りの事
  • 其の五十九:へのこ比べの事
  • 其の五十八:振られるという事
  • 其の五十七:体位の事其の弐
  • 其の五十六:色男の事其の参
  • 其の五十五:もてないという事
  • 其の五十四:御用聞き少年の逆襲
  • 其の五十三:思わぬ勃起の事
  • 其の五十二:色男の事其の弐
  • 其の五十一:加齢の事
  • 其の五十:遊びの誘いの事
  • 其の四十九:歴史句の事
  • 其の四十八:毛の処理の事
  • 其の四十七:捻くれ和尚
  • 其の四十六:大一座の事
  • 其の四十五:文の事
  • 其の四十四:裏門の事
  • 其の四十三:咄嗟の時
  • 其の四十二:野暮なお客
  • 其の四十一:真面目な和尚
  • 其の四十:茶屋の事
  • 其の三十九:坊さん相手の冥加
  • 其の三十八:逃げる御用聞き
  • 其の三十七:脅される御用聞き
  • 其の三十六:口説かれる御用聞き
  • 其の三十五:男根比べ
  • 其の三十四:通常男子たちへの視線
  • 其の三十三:身も蓋もない句たち
  • 其の三十一:痔の治療の事
  • 其の三十二:芳町以外の色街
  • 其の三十:寺小姓の事
  • 其の二十九:惚れられる若衆
  • 其の二十八:弘法大師の事
  • 其の二十七:陰間の出勤模様
  • 其の二十六:芳町風景
  • 其の二十四:陰間茶屋の接待
  • 其の二十五:へのこ事情
  • 其の二十三:勘違い和尚
  • 其の二十二:納所の事
  • 其の二十一:芝居の事
  • 其の二十:男好き宣言
  • 其の十九:脚気の事
  • 其の十八:芋の事
  • 其の十七:念者の事
  • 其の十六:屁の事
  • 其の十五:奉公少年の事
  • 其の十三:アナル考
  • 其の十四:ナンパ事情
  • 其の十二:色男の事
  • 其の十一:芳町事情其の弐
  • 其の拾:芳町事情其の壱
  • 其の九:御用聞き少年の事
  • 其の八:通常男子男色体験
  • 其の七:相思相愛の事
  • 其の五:体位の事
  • 其の六:若衆年齢の事
  • 其の四:男性器考
  • 其の参:初尻喪失の事
  • 其の弐:江戸のローション事情
  • 其の壱:BL古川柳の事
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古川柳男色事情走書    南 ツカサ

其の十五:奉公少年の事

.Bloom BL川柳コラム

其の七十:情事の終りに
  • 其の七十:情事の終りに
  • 其の六十九:仕方ない事
  • 其の六十八:一人者の事
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  • 其の六十六:芳町のお坊さんの事
  • 其の六十五:年増陰間の事其の二
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  • 其の六十三:口説くという事其の三
  • 其の六十二:口説くという事 其の二
  • 其の六十一:口説くという事
  • 其の六十:見栄っ張りの事
  • 其の五十九:へのこ比べの事
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  • 其の五十六:色男の事其の参
  • 其の五十五:もてないという事
  • 其の五十四:御用聞き少年の逆襲
  • 其の五十三:思わぬ勃起の事
  • 其の五十二:色男の事其の弐
  • 其の五十一:加齢の事
  • 其の五十:遊びの誘いの事
  • 其の四十九:歴史句の事
  • 其の四十八:毛の処理の事
  • 其の四十七:捻くれ和尚
  • 其の四十六:大一座の事
  • 其の四十五:文の事
  • 其の四十四:裏門の事
  • 其の四十三:咄嗟の時
  • 其の四十二:野暮なお客
  • 其の四十一:真面目な和尚
  • 其の四十:茶屋の事
  • 其の三十九:坊さん相手の冥加
  • 其の三十八:逃げる御用聞き
  • 其の三十七:脅される御用聞き
  • 其の三十六:口説かれる御用聞き
  • 其の三十五:男根比べ
  • 其の三十四:通常男子たちへの視線
  • 其の三十三:身も蓋もない句たち
  • 其の三十一:痔の治療の事
  • 其の三十二:芳町以外の色街
  • 其の三十:寺小姓の事
  • 其の二十九:惚れられる若衆
  • 其の二十八:弘法大師の事
  • 其の二十七:陰間の出勤模様
  • 其の二十六:芳町風景
  • 其の二十四:陰間茶屋の接待
  • 其の二十五:へのこ事情
  • 其の二十三:勘違い和尚
  • 其の二十二:納所の事
  • 其の二十一:芝居の事
  • 其の二十:男好き宣言
  • 其の十九:脚気の事
  • 其の十八:芋の事
  • 其の十七:念者の事
  • 其の十六:屁の事
  • 其の十五:奉公少年の事
  • 其の十三:アナル考
  • 其の十四:ナンパ事情
  • 其の十二:色男の事
  • 其の十一:芳町事情其の弐
  • 其の拾:芳町事情其の壱
  • 其の九:御用聞き少年の事
  • 其の八:通常男子男色体験
  • 其の七:相思相愛の事
  • 其の五:体位の事
  • 其の六:若衆年齢の事
  • 其の四:男性器考
  • 其の参:初尻喪失の事
  • 其の弐:江戸のローション事情
  • 其の壱:BL古川柳の事

  江戸時代の商売形態は大きく分けると三つあります。大通りに店を構える大店(おおだな)、町内などで商う小店、商品を担いで売り歩く行商人です。今回は大店での男色事情を見ていきましょう。
  大店では身分階級がはっきりしていて、下から順に丁稚・手代・番頭・主人となります。十歳くらいから丁稚としてお店に入り、十七歳~十八歳で手代に昇進、そして一人前と認められる番頭になるのは三十歳くらいでした。
  大店の世界は完全に男社会。主人の家族も住居を分けて、嫁や娘もお店に出ることはご法度だったと言われています。そこで男色が行われないはずはありませんよね。

番頭に釜を貸すのは朝寝する

  「釜」とは尻のことで、この句の主人公は丁稚の少年です。丁稚奉公といえば、店の誰よりも早く起きて、炊事や掃除を行わなければなりませんが、上司である番頭に身を許せば、そんな仕事は免除され、ぐうぐう寝ていられたというわけです。でも、そんな特権を濫用して、同僚の丁稚に恨まれたりしなかったんでしょうかね?

けつをする内は番頭怖くなし

  こちらも夜な夜な番頭に尻を差し出している丁稚の句です。通常の丁稚からすると番頭は怖い存在。しかし、夜の番頭の痴態を知っている丁稚少年からすると、こわもての表情をされてもへっちゃらだったことでしょう。また、番頭の方も、受けの少年の可愛さに、他の丁稚よりも甘やかしていたかもしれません。しかし、時の流れは無残なもの。受けとして可愛がられる期間もそう長くはなかったはずです。初々しかった丁稚少年も成長し、お店に新しい丁稚が入ってきて寵愛を奪われた時、彼はようやく「番頭の怖さ」を思い知ったのではないでしょうか。

芳町で打つはくすんだ手代なり

  現代風に言えば、冴えない中年係長が歓楽街でクダを巻いているといった光景です。順調に出世すれば次は番頭になるはずですが、誰もが番頭になれるわけではありません。お店では出世コースから外れ、店の目ぼしい丁稚は番頭が手をつけている…となると、芳町で遊ぶ(打つ)しかなかったのでしょうね。この手代にも幸あれ、と願うばかりです。

コラム「古川柳男色事情走書」著者プロフィール
南 ツカサ(みなみ・つかさ)  Twitter

古川柳愛好家。川柳雑誌「現代川柳」所属。

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