これは歪で愛おしい、救いの物語。
〝ある目標〟の為に地元から離れ、都内の調理師学校に通う虎汰(とらた)は、人望厚く友人も多い上、モデルの仕事もこなしている。
そんな虎汰には、嘉一(よいち)という八つ下の弟が居た。
毎日欠かさず電話をかけてくる嘉一は虎汰を強く慕い、虎汰もそのことを友人に自慢するような、仲の良い兄弟だった。
しかし、二人はそれぞれの想いを抱えていて……。
そんなある日、虎汰の元へ、嘉一が一人でやってくる。
突然のことで驚きつつも快く招き入れるが、嘉一の「一言」をきっかけに、虎汰の表情が一変し――…!?